子どもがいたら
めちゃめちゃかわいいだろうな
──稲垣さんは自分の子どもがほしい基の思いを理解できますか?
僕は遺伝子を残すことに対して強いこだわりを持たずに生きてきました。ただ、もしも基のように両親ともにバレエダンサーという環境で育っていたら、自分の遺伝子を残さなきゃいけないというような、責任感や義務感が生まれたのかもしれない。
でも僕の場合は、ちょっと特殊な芸能の世界に身を置いてきた立場なので(笑)。それが僕の人生だし、後悔はしていません。だからこそ、基を僕に演じさせたらおもしろいと思ってオファーをしていただけたのかもしれませんね。
──役で父親を演じることもありますが、「もしも父親になったら?」と空想したことは?
うーん。なくはないけど、具体的な想像ができなかったんです。娘がいたらすごくかわいがるだろうなということは、うっすら想像がついたけど、男の子だとどう接していいかわからなそうだなとも思っていました。
ただ、飼っているオス猫を見ていて「男の子がいたらこういう感じ?」と思ったりもして。ちょっと自分の子どもの分身のような感覚で見ていることに気づいたんです。
もちろん動物と人間は違うし正しい例えではないかもしれないけど、最近はそんなことを思ったりしたかな。
──猫を通して父性が発動される瞬間があったんですね!
そうですね。当たり前だけど、めちゃめちゃかわいいんだろうなって、今になって思っています。