「記者会見の笑顔は一世一代の笑顔では?」

――今後、この学歴詐称問題はどう展開していくでしょう。

私は4年前から追及しています。支援者からは「(小池氏が卒業してないことは)もう誰が見てもわかるじゃない。でも政府が認めちゃってるんだからあきらめなさいよ」と言われてたんですけど、都議会で一人くらいは「おかしい」と言い続けなきゃいけないと思ってます。

みんなが「おかしい」と思っているけど言えなかった、ジャニーズの問題と同じですよ。でも、日本人にはいい意味での同調圧力が働いて、突然ドミノ倒しのようにダダダーってひっくり返るじゃないですか。4年前は私も小池ファンみたいな人たちに嫌がらせをされたけど、最近は「上田頑張れ」「よくぞ言い続けてくれた」って声が多くなった。

そこに小島さんと北原さんの実名告発がきたという感じです。ブームのときは何をやっても評価されていた小池知事ですが、徐々に化けの皮がはがれて「都庁のプロジェクションマッピングになんでひと月7億円もかけるんだ」「お米クーポンいらねーよ」みたいな批判を受けるようになってきてます。

小池知事は自分で政策を考えられないから「とにかく私はかっこいいことがやりたいの」という“ノリの政策”が続けざまに破綻しているように思います。

都庁
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——小池知事の4月12日の会見についてはどう思いますか。

悪あがきをしているように見えます。会見もニッコリ笑って応じていましたが、そりゃあ憔悴したところは見せられませんもんね。おそらくは何十年もかけて「絶対卒業したことにしてね」とエジプト本国やカイロ大に根回しをしてきて、大学側も今さら卒業してないと認めれば虚偽に加担したことになってしまうので、芝居を続けているんでしょうけど。

そもそも彼女は「カイロ大が卒業を認めている」と言い張っていますが、今回の告発は、そのカイロ大側に「認めさせるように画策した」という部分が核心ですからね。偽装工作を頼んだのかという記者の質問には、ゴソゴソと聞き取れないような答え方で濁していましたけど。
 

——今回の騒動についてあらためて感想を。

「火のないところに煙は立たず。ウソつきは泥棒のはじまり。学歴詐称するような人間、それを疑われるような人間を知事にしておいてはいけないと思います。4月12日の会見でみせた笑顔は一世一代の笑顔ではないでしょうか? 50年前、二十歳の小娘がついた嘘がこんな大ごとになるとは思ってもみなかったでしょうから。

なんとかしてニュースキャスターの末席に潜り込んで、そこで名だたるキャスターたちの前でメッキが剥がれないよう必死だったんでしょう。結局「カイロ大卒業」というハッタリしか彼女にはなかったから、そこで嘘をつき通した。それで権力の階段を駆け上がって環境大臣から防衛大臣になった。国防ということになれば中東は一目おきますしね。

約40年前、若かりし頃の小池百合子知事(著書『振り袖、ピラミッドを登る』より)。
約40年前、若かりし頃の小池百合子知事(著書『振り袖、ピラミッドを登る』より)。
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ーー思えば、大谷翔平選手の口座から1600万ドルも盗み出し、賭博を繰り返していた元通訳の水原一平容疑者も「カリフォルニア大リバーサイド校卒業」との学歴詐称疑惑が報じられたたばかりだ。自分を守るためについたウソが、他の誰かを幸せにすることはこれまでもなかったし、これからもないのである。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班