忌野清志郎と佐野元春が二人で痛烈な反戦歌を歌う

そんな『君が代』が終わると、メインステージにはザ・ホーボー・キング・バンド(H.K.B.)が登場、そこに忌野清志郎も加わって、ファンキーなR&Bのスタンダード曲『Them Changes』のセッションが始まる。

そこからは会場の空気が一変してホットになり、忌野清志郎がメインアクトの佐野元春を呼び込んだ。

「オーケー、オレの古いダチを紹介しよう! ごきげんなやつを紹介しよう! マイ・オールドフレンド! サノー、佐野元春ーっ!」

P.F.スローンが作詞作曲してバリー・マクガイアが歌った、1965年のヒット曲『明日なき世界』のイントロが流れ始めた。

核戦争後の恐怖を描いたこの歌は発表された当時、アメリカの各州で放送禁止になったにもかかわらず全米1位になった。

ハンドマイクの忌野清志郎、ギターを引きながらの佐野元春。二人が痛烈な反戦歌を歌うと、会場は一気にヒートアップしていった。

2008年12月17日発売『カバーズ [SHM-CD]』(ユニバーサルミュージック)のジャケット写真。スタンダードな洋楽の名曲に忌野清志郎が日本語の訳詞をつけて歌っている。『明日なき世界』ほか「反戦・反核」の意思を表した訳詞が大きな話題を集めた
2008年12月17日発売『カバーズ [SHM-CD]』(ユニバーサルミュージック)のジャケット写真。スタンダードな洋楽の名曲に忌野清志郎が日本語の訳詞をつけて歌っている。『明日なき世界』ほか「反戦・反核」の意思を表した訳詞が大きな話題を集めた

そして『トランジスタ・ラジオ』の演奏が終わった後、忌野清志郎と佐野元春はおたがいを紹介し合った。シャイな二人が照れながら交わす会話からは、いくつになっても失われない少年らしさが感じられた。

清志郎「一緒にやんのは初めてだね・・・」
元春 「初めて・・・ずっと聴いてた」
清志郎「ずっと聴いてた、俺も・・・ラジオとか・・・」
元春 「自由に好きな曲が歌える国に生まれて、僕は幸せだと思うよ」
清志郎「サンキュー、サンキュー」