非正規雇用の“新しい働き方”はさらに多種多様に

では今後、若者の働き方や雇用はどのような変化が予想されるのだろうか。

「自由度が高く、ひとつひとつの案件をクリアしてゲーム感覚で働ける『UberEats』の配達員や、スキマ時間でバイトができるアプリ『Timee(タイミー)』が登場したときは、新しい働き方だと注目を集めましたが、そのように新しい非正規雇用の形態が今後ますます増えて多様化していくかもしれません。そして、新しい形態が生まれるたびに若い世代は改めて非正規雇用に注目するようになるでしょう。

ただし、非正規雇用は若いうちならのめりこめる働き方かもしれませんが、年齢を重ねると正規の職に就きづらくなったり、体力的にきつくなってきたりするというリスクももっと知らされる必要があります」

「あえて非正規雇用で働く」25〜34歳が10年で14万人増「自由に働く」ことを選んだ若者たちがやがて味わう後悔とデメリットとは_3
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非正規雇用という選択が必ずしも悪いわけではない。だがしかし、目先の居心地のよさだけにとらわれていると、人生全体を俯瞰して見たときに後々に後悔する可能性は十分にある。多様性の時代とはいえ、耳障りのいい条件や待遇に目が眩むことは気をつけたいものだ。

取材・文/瑠璃光丸凪/A4studio 写真/shutterstock