3人合わせても年俸2400万円
ダメ虎を突然、猛虎に変貌させた立役者は、湯浅京己、長坂拳弥、島田海吏の3選手。いずれもドラフト下位指名の若手選手で、推定年俸も順に500万円、700万円、1200万円と格安だ。これまで一軍出場もわずかだったこの3人が大活躍し、交流戦での阪神快進撃を演出している。
3人はいったい、どんな選手なのか? まずは安定したピッチングでチームの勝利に貢献する中継ぎ投手・湯浅(入団4年目、22歳)から紹介しよう。
湯浅は聖光学院卒業の18年に独立リーグ(BC富山)に進み、翌19年のドラフト(6位指名)で阪神入りした変わりダネ投手だ。150キロ台のストレートと140キロ台の高速フォークで活躍が期待されたものの、腰椎骨折や足の肉離れなどのケガに泣き、1軍での登板はわずか3試合に終わっていた。
ところが、故障が癒えた今シーズンはすでに23試合に登板し、防御率0.82、16ホールドをあげるまでに。在阪スポーツ紙の虎番記者が言う。
「コントロールがよく、ストレート、高速フォークのどちらでもストライクが取れるのが強み。ケガが治り、プロ4年目にしてようやく本来の力を発揮したという印象です。
近年、阪神の抑えは外人頼みが続いてきましたが、待望の守護神候補として現れた湯浅に、球団が藤川球児の後継者になってほしいと期待をかけているのは言うまでもありません。今の背番号65が球児のつけてきた22に変わる日は近いかもしれません」