「弟のような存在」という中村さんの今後にも、佐伯さんははっきりと願望がありました。
「弟のような存在」という中村さんの今後にも、佐伯さんははっきりと願望がありました。

日本サッカーの将来が懸かっている憲剛さんの今後に期待しています!

中村
まだまだしゃべり足りないけど、約束の時間が迫ってきました。

佐伯
あ、もう? じゃ最後に、憲剛さんにものすごいプレッシャーをかけていい?

中村
えっ、怖いなあ(笑)。

佐伯
私は日本サッカーの将来は、憲剛さんに懸かっていると言っても過言ではないって思っています。指導者という文脈にもおいても、スポーツを通して社会をよりよくする存在という文脈においても。弟みたいに思っているので、いつもしつこく言っちゃっているのよね。海外に出なさいよって。

中村
ホントしつこいくらいに(笑)。

佐伯
でも、これは海外に行ってハクをつけるっていう意味じゃないですよ。異なるものを知ることで「やっぱりこうだ」という確信を深めてほしいだけ。海外が素晴らしいなんて言うつもりはまったくありません。むしろ私は、全然ダメなところを知っている人間ですから、そこも含めて見てもらいたい。憲剛さんの幅がグッと広がると思うから。バルセロナが好きなのはわかっているけど、うるさいお姉さんがビジャレアルにいたなと思い出してもらって、ぜひビジャレアルに来てほしいです。

中村
佐伯さんには思っていること、考えていること、疑問に思っていることなど、もう洗いざらいいつも話しています。だから僕のことは大体わかってもらっている。後は実際に、自分の目で欧州がどうやっているのかを見ることで、確かにいろんなことに確信を持てるかもしれませんね。絶対、ビジャレアルに行きます(笑)。それと僕からも佐伯さんにお願いがひとつあります。

佐伯
なんだろう(笑)。

中村
Jリーグの理事を退任されてスペインに戻られますけど、Jリーグのこと、日本サッカーのことをずっと見てほしいし、やっぱり何かしらの形で関わり続けてほしいです。「日本は外からこう見えているよ」って、ちゃんと言える人が必要だと思うから。日本にいる人たちだけの枠組みだとどうしても見えないところは出てきますからね。外を知っている人が「ここは自信を持っていいよ」「でも、ここは課題だよ」と言ってくれるだけで、全然違いますから。

佐伯
もちろん日本のことはこれからも気にかけていくつもりです。

中村
また定期的にオンラインミーティングもよろしくお願いしますね。

佐伯
まだまだ話したいテーマがいっぱいあるからね。日本サッカーの将来が懸かっている憲剛さんには期待していますよ!

中村
最後にもうひとプレッシャー、ありがとうございます(笑)!

(終わり)

取材は2月22日。ということで、中村さんの特任理事就任のニュースはスタッフの誰も知りませんでした。
取材は2月22日。ということで、中村さんの特任理事就任のニュースはスタッフの誰も知りませんでした。

【ケンゴの一筆御礼】

佐伯夕利子さんとの出会いは僕にとって本当に大きなものになっています。サッカーにおいてスペインがどうなのか、欧州がどうなのか、外から見える日本はどうなのか。現役を引退して自分が育成や指導についてじっくりと考え始めたタイミングで出会えたのですから、自分は恵まれているなって感じます。知りたいことについてすべて丁寧に教えていただいて、それでいて自分の考えをしっかり持たれているから、いつも佐伯さんの言葉はメチャメチャ心に刺さっています。ついつい佐伯さんの人間性に甘えて、なんでもかんでも聞いてしまっていて感謝以外の言葉が見つかりません。Jリーグの常勤理事、本当にお疲れさまでした。スペインに戻ってもオンラインでお会いできることを僕も妻も楽しみにしています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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