渋野日向子へは辛口評価、「宮里藍の再来」に注目

その他の選手はどうだろうか。

「渋野は……厳しいでしょうね。今回は多分、バーディー合戦にはならない。そうなるとボギーを打たないステディなゴルフが求められるんですけど、うーん、今の彼女の状態では苦しいかな。先日のハワイの大会(4月のロッテ選手権、渋野は2位)みたいにバーディー合戦になればいいんですけど」

かなり辛口な評価だが、渋野は今年3月末~4月にかけて開かれたアメリカ女子メジャー第1戦のシェブロン選手権でも4位と優勝争いに加わっているだけにやはり期待してしまう。

渋野日向子は「厳しいでしょう」、“宮里藍の再来”が「もしかすると…」。全米女子オープンをタケ小山が展望_c
4月のロッテ選手権では2位の好成績を収めた渋野日向子 画像/Getty Images
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調子を上げてきている古江彩佳にも注目だ 画像/Getty Images

今年からアメリカに主戦場を移した古江にも注目だ。出場試合をすべて予選通過し、5月末に行われたアメリカ女子ツアー唯一のマッチプレー大会、バンク・オブ・ホープLPGAマッチプレーでは、5日間7マッチを戦った。決勝戦では、2009年全米女子オープンチャンピオンのチ・ウンヒ(韓国)に惜しくも敗れたが、準優勝。これは彼女のアメリカツアー最高成績だ。

「古江のプレースタイルは、全盛期の宮里藍さんにそっくりです。宮里の再来といってもいいかもしれない。それくらい似てますね。体も大きくないし、飛距離が出るわけでもない。でも、ティーショットはフェアウェイを外さない。フェアウェイからグリーンへは確実にアプローチ(乗せて)してくる。グリーン上もうまい、と。コツコツくるんですよね。もしかするともしかするかも……」

タケ小山氏が古江に関してこう語ったのは、マッチプレーの決勝戦前のこと。大会の結果を知っていたら、いっそう激賞したかもしれない。

古江がゴルフを始めた頃、女子ゴルフで絶大な人気を誇っていたのが宮里藍さん。いわば、古江は「宮里藍チルドレン」ともいえる。そのアイコンとそっくりなプレースタイルをタケ小山氏から絶賛されているのだから、期待は高まるばかりだ。

ちなみに2007年にパインニードルズで開かれた全米女子オープンで、宮里さんは10位という好成績を残している。

取材・文/志沢 篤