特定の課題を解決するために練習を考案する
ライスはすべてにおいてうまくなる必要はなく、いくつかのことをこなすだけでよかった。ライスは正確なパターンで走らなければならなかった。
具体的にいうと、ライスはときには2、3人のディフェンダーをかわさなければならなかった。またボールをとるために高くジャンプをしなくてはならなかった。
ボールをライスから引き離そうとやってくる相手チームの選手をすり抜け、タックルに向かってくる連中を振り切って走らなければならなかった。
そして、NFLリーグでもっとも速いワイドレシーバーであるということは、あまり重要ではなかった。ライスはレシーバーとしての動きのパターンの正確さで有名になったからだ。
ウエートトレーニングはライスに強大な力を与えた。丘陵の小道を走ったことで、相手に自分の体の動きを事前に察知されずに急に方向を変える身体コントロールを身につけることができるようになった。上り坂を使った疾走練習で爆発的な加速力を身につけた。
スピードに重点を置く選手たちが通常重きを置かないような持久力トレーニングのおかげで、最終第4クオーター(60分の試合の最後の15分間)でライスは一段と有利になった。
最終クオーターで敵陣の選手が疲れきっているのにもかかわらず、ライスはあたかも試合開始後まだ1分しかたっていないかのように元気に見えるのだった。ライスはいつもそうやって試合を終えた。
敵を圧倒するために何が必要かライスもコーチも正確に理解していた。本当に必要な課題に注力して訓練を実施し、一般的に必要だといわれる目標、たとえばスピードのようなものには力を注がなかった。
他人の助言も受けていたが、ライスは訓練のほとんどを自分自身で行った。
アメリカンフットボールのシーズンは1年に半分以下しかない。チームスポーツなのでもちろん他の選手たちとともに練習することは必要だ。
しかしライスの練習は、ほとんどオフシーズンに行われていた。ライスは監督やトレーナーから重要な助言は受けていたが、フットボール関連の練習のほとんどは自分自身で行った。