「なんでも僕中心じゃなきゃ気がすまないから」
また、昭和58年5月5日発売号の「週刊明星」でマッチは『嵐を呼ぶ男』で主人公、国分良を演じるうえで意気込みをこう語っている。
「こんなに男っぽくてカッコいい役だもの、体当たりでやらなきゃ」。なんてったって25年前、あの裕次郎が主演したという大ヒット作だ。マッチだって負けてなんていられない。この日は明けがた近くまで、40シーンあまりを撮影するというハード・スケジュールだったが、「さあ、つぎ行こう!」と元気いっぱい。
ドラマ第4話、ムッチ先輩がブリーフ一丁で小川純子(河合優実)を押し倒すきわどいシーンでは「俺の、愚か者が……ギンギラギンにならない」と情けない姿を見せていたが、若かりしころのマッチ本人の性愛への持論はどのようなものだったか。
昭和58年8月20日発売号の「non-no」(集英社)に掲載された「辛いネ 恋と性(セックス)がタブーなんて」と見出しが打たれたロングインタビューで「プライバシーのない日々、なぜそんなに頑張るの、マッチ。恋もセックスもタブーの世界で?」という問いに対し、こう答えていた。
「そこんところがいちばん辛いですネ、僕も19歳の健康な男の子ですから(笑)。どうしたらいいでしょう、教えてほしいョ(笑)。でも、割り切るっきゃないよね。オレはそれが有名税だと思ってるから。しょうがないよ。割り切らなきゃさ、やってられないよ!」
さらに、どんな恋愛をしてみたいか、仕事と恋のどちらを取るかという質問には、強気な“マッチ節”も炸裂。
「僕中心の。なんでも僕中心じゃなきゃ気がすまないから。(中略)仕事を取る。だって恋人はまだできるじゃない(笑)。仕事は捨てたら終わりだもん。女の子はね、きっと恋を取るだろうね。だからスターもあっさり辞めちゃう」
今だったらやや不適切な感じがしないでもない回答だが、それもまた昭和なのだろう。『不適切にもほどがある!』では今後も意外な昭和のスターにスポットが当たるかもしれない。まだまだ目がはなせないネ!
取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班