夢を笑わない友達と一緒にいよう
19歳の時に、僕は放送作家になりました。最初はギャラは0円。ラジオ局のニッポン放送で、目の前にいる大人たちに自分を認めてほしくて必死でした。
その頃、僕は大学生で、大学に通いながら、居酒屋でバイトもして、そしてニッポン放送で放送作家をやらせてもらってました。
僕が放送作家を始めて、大学に行った時に、大学の友達にそのことをキラキラした目で話すと、聞かれたのです。「え? 放送作家って月いくらもらってるの?」と。
僕はまだノーギャラだったので、「0円だよ」と答えると、ニヤリとしながら「な~んだ」と言われました。
夢に向かって全力疾走しようとしている僕に、その現実的な言葉はブレーキをかけました。
ギャラももらえてないのに、何やってんの⁉ と言われてるような気がして、魔法が解けそうな自分がいました。
その日の夜。バイトに行き、今度はバイトの仲間たちに自信なげに放送作家を始めたことを伝えると、バイトの仲間たちはギャラを聞くこともなく「え? 本当に? 俺ら、鈴木君の名前がいつかエンドロールに出るのを楽しみにしてるよ。応援するよ」と言ってもらえました。
バイト先の居酒屋には僕と同い年で、茨城の不良で少年院を出てきたやつや海外留学をしてきたやつ、10代でホストをやってたやつなどがいて、個性豊かで熱いやつらでした。
僕はこのことがきっかけで大学に行かなくなりました。
大学に行くと、夢に向かって走っている自分の気持ちがブレそうな気がしたからです。
でも、バイトの仲間たちは自分の夢を肯定し、背中を押してくれる。
僕はたまに、大学や高校で講演などをやらせていただく時に、必ずこの話をします。
もし自分に今、夢があるなら、その夢を笑わない友達と一緒にいた方がいいと。
夢を笑うやつは友達じゃない。その夢を見るあなたに対して、嫉妬してるだけなんだと。