「ネズミの糞がすごかった」
3年前の大晦日を境に「細谷一家」がアパートに来る頻度が減ったこともあり、この大家の親族は再び解約を持ちかけたという。
「部屋を放置されたままにされるのも困ると思い、『使わないなら解約したほうがいいのでは?』と健一さんにメールしたところ、『今月中には必ず行きます』とすぐに返事がきたのですが、部屋には来ていませんでした。
そうこうしているうちに去年の9月に警察の方が『契約書が見たい』と訪ねてきて、その数日後には、部屋の中を見たいから立ち会って欲しいと依頼されました」
その際に警官に、気になることを聞かれたという。
「刑事さんに『この辺でネコなどの死骸が見つかるというようなことはありませんでしたか?』と聞かれたんです。そういえば引っ越してきた当時に飼っていたネコをパッタリ見かけなくなりましたが、まさかですよね……。
それで私も、『立会人』という腕章をつけて捜査に立ち会うことになりました。その際に見せられた書面に『4歳』とか『殺害』という文字が見えたので、『あの一番下の子が亡くなったのか……』とショックを受けました」
部屋は食べ物の残骸やおもちゃなどで散らかり、ゴミ屋敷同然だった。最後に細谷一家を見かけてから、ほぼ2年が経過していた。
「鍵を開けて中に入った刑事さんが『うわっ、ネズミの糞がすげえな』と漏らして、実際にネズミが一匹、部屋から出てきました。2つの冷蔵庫の中も爆発したかのように食べ物が飛び散ってこびりついていました。そして、志保さんの母親の骨壷だと思いますが、タンスの上に無造作に置かれていました。供養されているとは思えない惨状でしたね。
事件になるのなら今後、部屋をどうするのか健一さんに問い合わせたかったんですが、警察に『連絡はしないでほしい』と釘を刺されました。家賃は払われているんで部屋も今はそのままですね」
千葉のアパートには母親の、浅草のマンションには娘の骨壷を平然と放置し、ゴミ屋敷同然に放置しながら、着飾って外食などを楽しんでいたボンボンの父親とネグレクトの母親。7つの大罪すべてを抱えたような夫婦の行き着く先は、いったいどこなのだろうか。
※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com
Twitter
@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
#1〈浅草・資産家夫婦が4歳児毒殺で逮捕〉「お父さんに言いつけてやる」と言い放ったボンボン息子は杜撰なホテル経営。その妻は放火にネグレクト、子どもは児相へ。姉は謎の死を遂げていた…
#2「ケン坊は志保の太客だった」「ガラスのコップを妻に投げつけられていた」親族が語ったボンボン息子とネグレクト妻への不信感「父親から結婚を大反対されていた」〈浅草・資産家夫婦が4歳児毒殺で逮捕〉
#3「ケンちゃんの姉は亡くなる3か月前から急によく“風邪”をひいていた」「倒れたのは実家の部屋のドア付近」親族が証言する謎すぎる姉の死「疑われても仕方ない…」〈浅草・資産家夫婦が4歳児毒殺で逮捕〉
#4「ケンちゃんは嫁のヒステリーがうつってしまったのか?」「父の葬儀でダンマリ、目もあわせなかった」親戚から総スカンの健一容疑者。無実を訴える弁護士は「優しい穏やかな人」と〈浅草・4歳児毒殺で両親逮捕〉