一般人を震撼させたヤクザがらみの事件を同業はどう見る?
これらは暴力団関係者にとっては大きなニュースだが、カタギの人間はピンとこないだろう。世間を震撼させた組員や元組員が関連する殺人事件を関係者はどう見ているのか。
まずは5月に町田市の喫茶店で暴力団幹部が元組員の男に発砲され死亡した事件だ。拳銃で撃たれ、駅構内で血だらけで倒れている幹部の姿がネットやニュースで流れ、世間は騒然となった。
「FX投資に失敗した元組員が金を借りた幹部を撃った。容疑者は余命宣告されていたという噂だが、昔からギャングのようなことをする人間だったようで、金に詰まっての犯行だったという見方が主流だね。
この犯行映像はLINEで流れてきたな。幹部にしてみれば貸した金を鉛玉で返されたのでは、たまったもんじゃない」(O氏)
それでも「発砲事件があると、なぜかワクワクしてしまうのは性分なのかね」とO氏は笑った。
10月、埼玉県戸田市の病院で発砲した後、蕨市の郵便局に立てこもって逮捕された86歳の元暴力団員の事件についても聞いてみたが、こちらは「暴力団員だったのはかなり昔の話だろう。おそらく元から危ないやつだったんじゃないのか」と関心は薄いようだった。
一方、ヤクザ業界でも注目度が高かったのが、神戸市長田区のラーメン店で4月、六代目山口組傘下組織の組長が射殺された事件だ。というのも、被害者は自ら厨房に立っていた同店の店長であり、現役の組長だったからだ。
O氏は「謎の多い事件だ。二次団体や力のある組長を狙うならまだわかるが、組員もいない名前だけの組長を殺害した理由はなんだったのか……」
来年はどんなヤクザ関連のニュースが世間を騒がせるのか。すでにその火種はそこここでくすぶっているのかもしれない。
取材・文/島田拓
集英社オンライン編集部ニュース班