鈴木容疑者は同日午後、自宅アパートに放火し、戸田中央総合病院で拳銃を発砲したことも認めており「診察に不満があった」などと動機を説明。郵便局に籠城した理由については「郵便局の配達バイクとの交通事故を巡ってトラブルがあり、郵便局に恨みがあった」などと話しているという。県警は関連する事件の捜査を進め、拳銃の入手経路を追及している。
鈴木容疑者は自宅周辺ではふだんから刺青をチラつかせ、大声を上げるなど粗暴な老人として知られていた。同じアパートの住人女性(50代)は「あの人ならいつかやりかねないと思っていました…」と呆れ顔で語った。
「鈴木さんがここに引っ越して来たのは20年ほど前で、当初は10歳くらい年下のおとなしそうな女性と住んでいたので、たぶん彼女さんだったと思います。鈴木さん本人は、とにかく感情の起伏が激しい人で、平日の昼間に見かけることも多く、仕事はせずに生活保護でも受けてたんじゃないですか。アパートの敷地で会えば『今日すごい暑いですよね』とか『お母さんは元気〜?』と気さくに話しかけてくれるんですけど、同居していた女性と派手なケンカをすることもしょっちゅうで、激昂してブラウン管のテレビをドカーンと叩き壊して窓からぶん投げるのも見たことがあります」
そんな気性の荒さに嫌気がさして出ていったのか、同居女性は15年ほど前から姿を見かけなくなった。そして、ふだんは気さくな鈴木容疑者だったが、カタギではない雰囲気を醸し出すことがあったという。
「その後も、会えば軽く世間話をしていたのですが、『おそらく“ふつうの人”じゃないな』という雰囲気はありましたね。鈴木さんはアパートにいるときはタンクトップ姿で過ごしていることが多かったのですが、左肩あたりに和彫の刺青が入っていたんです。オシャレな感じではなく、いわゆる任侠映画に出てくるヤクザがしているような凄みのある柄でした。あるときは突然、シャツをまくって『これ刺されたんだよね〜』とお腹の傷痕を見せられたこともあります。刺された理由は怖くて聞けませんでしたが、自慢気に話していたので、不良アピールしたいのかなとは思いましたね」
そして10年ほど前、この“不良自慢”老人から一方的に「絶縁」を宣言されたという。