求められるDV防止法の法改正
警察庁によると、昨年1年間の配偶者による暴力(DV)の相談などの件数は前年比1.8%増の8万4496件。ここから事件にまで発展して摘発されるケースはおおむね10分の1程度で、2001年のDV防止法施行以来ほぼ一貫している。
特に同居歴のない未婚の交際相手らによる暴力はDV防止法の規制の対象外で、法改正を求める声も強い。
逮捕当時、伊藤被告の中学時代の同級生は、冨永さんと破局した際の伊藤被告の異常な執着ぶりについてこう証言した。
「ハルキは紗菜さんに対してDMを送るためだったり、アピールするためにインスタのアカウントをいくつもつくっていました。自分も全部フォローしてるわけじゃないですけど、『3737』だったり『ソーリーサナ』ってアカウント名もありました。何とかしてよりを戻すために、そうやって紗菜さんに思いを伝えようとしていたんだと思います。
昔からハルキのことは知ってます。ハルキの家は複雑で、あいつ自身はマザコンかって思うくらい母親が好きでした。ただ、その一方で母親が再婚すると『母親のことが許せない』という気持ちもあったようでした。そういう背景もあって家出を繰り返しながら友達の家を泊まり歩いてました。中学時代から誰かに暴力を振るっているのは見たことがありません。周りで友人たちがケンカをしていても、ハルキは『殴るのも殴られるのも嫌だから』と加勢することも一切ありませんでした。それだけ暴力を嫌がってたのに…」
サッカー部でキーパーをつとめていた伊藤被告は、高校に進学するも中退。その後は仕事を転々とし、飲食店で働いていた際に冨永さんと出会った12月、改めて同級生の元を訪れたが、こう口を濁した。
「事件当時は、ハルキがあんなことをやるなんて信じられないという友達も多くいました。『あんなことやれるやつじゃないと思ってた』という意見も含めてハルキのことがたびたび話題になりましたが、今は誰もハルキの話題は出さなくなりましたね。もちろん、立ち直ってほしいという思いがないわけではないんですけど…」