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「上司だから」という思い込みを捨てよ。

私は、会社のルールや一般的な常識にあまり縛られない、むしろそれらを壊すタイプだった。自分が中心だと考えて、自分のやりやすいように、快適になるように動いてきた。

くどいようだが、こういう奴は会社などの組織においてはかなり厄介な存在である。けれど、別に私に悪気があったわけではなく、「組織に搾取されないようにしたい」と思えば思うほど、自然とそうなっただけだった。組織の中で何かを我慢しすぎたり、自分の気持ちを押し殺して誰かに合わせたりするのが嫌だった。自分が主体になりたい、むしろ搾取する側に回りたい、という気持ちがあった。

おそらく、多くの組織において「自分が中心」の振る舞いを邪魔してくるのが、上司だと思う。たいていの人は上司の存在が枷となり、自分らしく行動することをあきらめてしまう。そこで大切なのが、上司を敬いすぎないようにすることだ。

上司といっても同じ人間で、たかだか数年、社会人経験が多いだけの人である。年齢や相手の属性に惑わされてはならない。もちろん、相手をストレートに見つめた結果、その人がすばらしく尊敬できる人であればそれなりの扱いをすべきだと思う。これは年下や部下であっても同様で、敬うべき人(=成長意欲のある人)は敬う、敬うべきでない人(=現状維持だけを目指している、成長意欲のない人)は敬わない。シンプルな行動原則である。

いまは、「年上だから無条件に偉い」という時代ではない。ビジネスの世界で最も大切なのは、成果である。だからこそ、成果を出さないままただ単に年上というだけで偉そうにしたり、その立場にあぐらをかいたりしている人間の発言権は、徐々に減少していくだろう。

前述のとおり、本書のタイトルにある「上司ガチャ」とは、私の会社の新卒社員が使っていた言葉から拝借した。社長が新卒社員の使った言葉を本のタイトルに取り入れるということに違和感を覚える人もいるかもしれない。しかし、ビジネスは実力の世界だ。年下でも、経験が浅くても、その人の言動がすばらしいと思えば素直に取り入れる、私はその姿勢を大切にしたい。

会社は学校ではなく、ビジネススキルを高めて、結果を出していく場所だ。「自分の上司だから」「年上だから」というだけの存在に自分の伸びしろを決められる必要はない。

成果を上げることを目指した結果、それまでの会社のあり方を壊してもいい。少なくとも、私はそう考えている。

上司は年上だから無条件にエライのか。「上司ガチャ」のハズレをアタリにするためにいちばん必要な分析とは_01
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