スマホが引き起こす髪トラブル〜首には22キロもの負担がかかっている
現代に潜む「老け髪リスク」のなかでも特筆すべきは、スマートフォン&パソコンの普及、そして近年「ニューノーマル」な生活で推奨されているマスク生活でしょう。
スマホやパソコンが老け髪リスクとなる大きな要因、それは「姿勢」です。パソコンに向かって作業をしているとき、前かがみの姿勢をとっていませんか? 仕事から離れてひと息つくときや移動中、スマホを見て、うつむいていませんか? これでは、仕事中も休憩中も、首は本来あるべき「肩からの延長線上のライン」ではなく、肩よりも前の位置に出てしまっています。
成人の頭は、約5キロあります。さらに、頭の重さは5度傾くごとに5キロずつ負荷がかかるといわれているので、パソコンやスマホを見るときに首が前に出ていると、それだけ首にかかる重さが増えます。 約4センチ前に出たと仮定すると、首の角度は45度ほど曲がった状態に。そうなると、首にかかる重さはなんと22キロにもなるのです。それでは、肩や首がこり、頭皮の血流が悪くなるのも当然でしょう。
近年、前かがみの姿勢をとり続けることが原因で、首のカーブが失われてしまう「ストレートネック(スマホ首)」という疾患が増えているといわれています。これは、前かがみやうつむいた姿勢でスマホを見続けていたために、頚椎という首の骨に異常をきたす疾患です。この「スマホ首」になると首が前に傾いた状態で固定されてしまうため、頚椎の間が狭まり、血管だけでなく神経までもが圧迫されます。すると、脳から体に伝わるべき命令もうまく伝達されなくなり、自律神経の不調をも招くのです。
ハゲの原因のひとつである「円形脱毛症」は、本来は外から体内に侵入した「敵」を排除しようと働く「自己免疫」が、毛根組織を攻撃してしまう「エラー」によるものという説があります。この「エラー」が発生してしまう原因は自律神経の乱れにあり、その乱れは自律神経のコントロールタワーとも呼ばれる首の「こり」にあるのではないかと、私は考えています。