32歳で宗教団体のトップになった池田氏

1960年、32歳で創価学会3代会長に就任し、3年後の63年に公明党を結成、日蓮の立正安国論を引用した結党宣言を行った。75年に発足したSGI(創価学会インターナショナル)会長に就任、79年に創価学会名誉会長になり、国内外で要人と交友を結んだが、公の場で確認されたのは2010年5月13日の本部幹部会が最後。以降は創価学会内の公式行事にも一切姿を現さず、重病説や死亡説などが囁かれてきただけに、部外者からは一層神秘的な存在に映ってきた。しかし、長年、信濃町の本部を出入りし組織を支えてきた50代の男性会員は、刑事ドラマを引き合いにその実像と影響をこう表現した。

「池田先生が亡くなって、中長期的にかなりの影響が出るだろうと報道されていますが、私はそうは思っていません。おそらくですが、日本に700万世帯くらいいる学会員の9割9分の人が、そんな風には誰も感じてないと思います。なんて言えばいいのかな……。警察関係者が刑事ドラマを見るような感覚で学会員は報道を見ている。警視総監とか警察庁長官の座を巡ってあんなドラマみたいなドロドロした権力闘争があると思いますか? そんなことはあり得ないと思いますね」

2008年に撮影された池田大作氏(撮影/共同通信社)
2008年に撮影された池田大作氏(撮影/共同通信社)
すべての画像を見る

池田氏のカリスマ性にも、この幹部は疑問を投げかける。

「カリスマ性うんぬんのとらえ方も、世代によって違うと思うんですよ。創価学会は今年で創立93年で、池田先生が会長になられて60年以上になりますから、この半世紀を池田先生と一緒に歩んでこられた同年代の方々は、カリスマとして仰ぎ見ていると思いますが、50代の私などは、生まれたときから家が創価学会だったので、私たち世代からするとカリスマというのは当たらない気がします」