究極のアイドルグループをつくるというコンセプトのもと、2017年、秋元康氏プロデュースのオーディションバトル番組から誕生した「ラストアイドル」。
その活動の様子は番組『ラストアイドル』(テレビ朝日)で放映された。勝ち負けが明確についてしまうパフォーマンスバトル企画が繰り広げられ、アイドルの愛らしさとはかけ離れた過酷な挑戦も少なくなかった。チャレンジを続けるひたむきな姿が、筆者をはじめ多くのファンの心をつかみ、一方でメンバーは挑むことを通じて成長を遂げてきた。
5月末の活動終了を前に、集大成となるラストライブに向け、彼女たちは今なお、全力で走り続けている。阿部菜々実、間島和奏、橋本桃呼、篠原望の4人のメンバーがこれまでの活動を振り返り、最後の舞台への思いを語る。
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アイドル人生が始まった日
――ラストアイドルとしての活動の中で、印象に残っていること、楽しかったことを教えていただけますか?
橋本桃呼(以下、橋本) 池袋サンシャインシティ、噴水広場での『愛しか武器がない』のリリースイベントがすごく記憶に残っています。デビューするアイドルたちがこの場所でイベントをしているのをずっと見ていたので、私もここに立てるんだ!ってうれしくて。四方八方から、ファンの人も通行人もみんなが私たちを見ていて、「アイドル人生」が本当に始まったんだなって思いました。
――2期生オーディションバトルで決まったメンバーのお披露目ですね。実は私も見に行っていました。イベントの最後、2期生と2期生アンダーのメンバー、合計30人との握手会もいい思い出です。
間島和奏(以下、間島) 握手会! 私、最初の頃はすごく苦手でした。憧れていたアイドルのように丁寧に対応しなきゃって考え過ぎていて。今は、親しい友達のような気持ちでファンの方々と接しています。バトルなどで辛い気持ちになっているときには、お話をすることで救われたというか、この人たちのために頑張れているって実感できる場所でした。
阿部菜々実(以下、阿部) ラストアイドルに入る前からアイドルとして活動していますが、私も握手会は苦手でした。ラストアイドルで周りの子たちの対応を見ているうちに、ラフでいいんだと気づいて。堅苦しくなくファンの方とお話しながら握手会を楽しめるようになったのは、自分としてはすごい成長だと思ってます。
篠原望(以下、篠原) 握手会とかトーク会って、ファンの人と直接話をできる貴重な場所ですよね。人と会わなくてもコミュニケーションが取れるSNSの時代に、わざわざ会いに来てくれることが嬉しいし、世の中にアイドルがたくさんいる中で、自分を選んでくれた人がいるのを実感できたのも嬉しかったです。