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34歳を過ぎたフリーターたちはどこにいったのか

――前提として、就職氷河期世代とも言われる団塊ジュニア(1971年〜1974年生まれ)前後の非正規雇用や貧困について論じられた、いわゆる「ロスジェネ論」はいつごろから言われるようになったのでしょうか。

ライターの速水健朗氏 撮影/集英社オンライン
ライターの速水健朗氏 撮影/集英社オンライン
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2007年です。それ以前は、単に不況と就職時期が重なった不運な世代というくらいの話が15年経って世代に限った深刻な貧困問題になっていると指摘されて日本中が驚いてしまった。

当時、朝日新聞が「ロスジェネ」という特集を組んで、「ワーキングプア」や「偽装請負」だったり、非正規労働者の低賃金が社会問題として一気に注目が集まりました。でもとうの本人である、こっちはもう30代半ばになってるんですよ。もう働き手としても、中堅になっていて、いまさら言われてもなあというタイミングではありました。

「無敵の人」なんて言葉も2008年に出てきたものなので、実は同じタイミングですよね。そして日本は不況は抜け出していなくても若年雇用はのちの2010年代にはよくなっているので非正規雇用問題は、特定世代に押しつけられた感が強くなっていきます。