幹部メンバー全員が大学合格
大分県という遠方のレディースだったため、実際は一回しか会っていないが、「烈慰羅」の初代総長のゆきみの印象も深かった。その特異な生き方と考え方はこれまで取材したレディース総長とは明らかに一線を画していた。なんと取材時に大学に合格していたのだ。
この時代のレディースは高校卒業でさえ珍しいのに、ゆきみは春から大分の大学で保母の資格を得るために進学することになっていた。
さらに驚くことに、他の幹部のメンバーも全員大学に合格していた。多くのレディースたちは17歳か18歳で引退し、中には引退してすぐに母親になり落ち着いてしまうケースも多いから「烈慰羅」のメンバーはかなり異質な存在だった。
また、ゆきみがインタビューの中でこう語っていたのも印象的だった。
「学校も行って、仕事もして暴走する時はハンパじゃなくやるっていうのが好きなんです。将来結婚して子供ができても働けるように保母さんの資格が欲しかったんです、でもそんな大したもんじゃないですよ」
ゆきみのこの言葉に他の幹部も「当たり前だよな」と頷いていた。総長ゆきみの価値観にメンバーが相当影響されている様子がうかがえた。
レディースたちは総じて、人一倍気が強く自我も強いため、傍目で見るより人間関係が複雑で、ワンチームとして統制をとるのはかなり難しい。