支持率低迷で、対応誤れば大ピンチ?

今回の軍事衝突の対応次第では、このところ低支持率にあえぐ岸田政権がさらにピンチに陥る可能性もある。

「3万円請求」の批判が沸き起こった直後の16日には、朝日新聞の世論調査で内閣支持率が過去最低の29%となるなど、複数の世論調査で「過去最低」と報じられた。
首相は「一喜一憂しない」と語るが、自民党内には動揺が広がっている。

「物価高への対応の遅れが響いているが、中東情勢の緊迫化でさらに経済の先行きの不透明さは増す。国内外への存在感アピールも大事だが、邦人の安全確保に加え、足元の国内の経済対策もしっかりしておかないと、政権への逆風はさらに強まってしまう」(自民党関係者)

補選の応援のため高知県で遊説する岸田首相
補選の応援のため高知県で遊説する岸田首相
すべての画像を見る

折しも、今月22日には衆参2補選が控え、自民候補は接戦ないしは劣勢となっている。2補選ともに敗北すれば首相の求心力は低下し、衆院解散も難しくなるとの見方が永田町には根強い。さらに首相がめざす来年秋の総裁選での再選にも黄信号がともる。

ガザ地区の情勢緊迫化を受けた邦人保護をめぐっては、「3万円請求」への批判も意識して、イスラエルに滞在する邦人を今週後半にも自衛隊機で退避させる際には費用負担を求めない方向となった。

「自身の政権を維持することが第一の首相だから、今後も、支持率が下がらないよう、そして国内外へのアピールにもなるよう、ガザ情勢に対応していくだろう」(同)

今回の「3万円請求」にネット上からは“ドケチメガネ”の声もあがっている。「増税メガネ」から派生する”メガネ大喜利“を断ち切るためか、期限付き所得税減税の検討を含め、各局面で岸田首相の必死のアピールは続く。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班