アイデアを口にすべきただ一つの理由

リーダーになったら、自分自身がアホにならないだけでなく、周囲から「アホ」と思われない振る舞いも身につけよう。

エース級カンパニーで世界の大成功者と共に働いていて思うのは、呼ばれた会議では、何を思われようが、自分の意見を言った方がいいということだ。日本人がよくする「こんなこと言ったらバカにされるかも」といった考え方はムダ。

なぜなら、多様性あふれる組織では、異なる見地からの意見は尊重されるからだ。間違いを恐れる必要はない。多少、明後日の方向を向いていることを口にしても、皆が忙しいので、スルーされるだけ。よほど見当違いのことを発言してしまえば尾を引くかもしれないが、多忙なメンバーはやがて忘れてくれる。

そもそも、会議に呼ばれる者にはとにかく会議の議題について自分なりの答えを持ってくることが最低限求められている。「会議で何も言わないやつはアホと思われる」のだ。

私の知る限り、意見を言わないで済む会議に呼ばれることは最初からない。そして、どんなアイデアだろうが肝心なその場で、その瞬間に言わない限り道は開けない。発言は会議における必須事項であり、かつ物事を動かすための原動力ともなる。

“アホ”なリーダーにならないたった1つの方法…ポジショントークを常に意識し、日本人として染みついてしまった「潔さ」を捨ててしまえ_3
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もちろん、言い方も大事である。意見の相違があっても、まずは相手の意見に敬意を表さなければならない。日本人にありがちな反対意見の表明=人格否定の考え方などもってのほかだ。

フィーリングで反対するのも良くない。賛成しない根拠とロジックをまず明快に説明することが重要だ。発言態度にもコツがある。どんな意見だろうが言う時は堂々と表明し、最後までしゃべり切る。とにかく自信が大事だ。

そもそも、発言して存在感を発揮した方が仕事していると思われる。つまり言った者勝ちなのだ。あまりにもひどい意見はよくないが、その会議に呼ばれるくらいの人なら基本自信を持って言う方がいい。

失言をとがめられることはない。発言が評価されればラッキー。それくらいの気軽な気持ちで議論の場に臨むことをおすすめするし、そうでないと「アホ」の烙印を押されてしまうのだ。


文/田村耕太郎 写真/shutterstock

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#2『仕事であなたが評価されない本当の理由…日本のハラスメント問題を深刻化させる、自分の優位性をひけらかしたい“アホ”の正体』はこちらから

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“アホ”なリーダーにならないたった1つの方法…ポジショントークを常に意識し、日本人として染みついてしまった「潔さ」を捨ててしまえ_4
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¥1,540
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