求めても何も得られなかった私の手元に残った宝物
――「詰んだ」状態を抜け出せたのはどんなときだったのでしょう。
あくまで「(仮)」の答えなんですけど――「なんでもない日常が幸せである」というのに、気づいたときかもしれません。
この作品でいうと、何歳までに結婚して、収入はこれぐらいほしくて、人にこう見られたいと思ってた自分は、何も得られませんでした。お金も残高が10万円以下になり、仕事も恋愛も上手くいかず、思い描いていた人生から外れた時、最後に残ったのが、友人や家族でした。
彼らが、私にとっての一番の宝物だったんです。読者の方やこのインタビュー記事を読んでくださる方にも、きっとそういう人がいるのではないかと思います。
#2へつづく
#2 「私の過去は一生、成仏しない。元アイドルという業を背負って書き続ける」人生に詰んだ過去から立ち上がった大木亜希子の作家道
取材・文/川辺美希 撮影/Keiko Hamada
映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』
2023年11月3日全国ロードショー
深川麻衣 松浦りょう 柳ゆり菜 猪塚健太/井浦新
原作:大木亜希子「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」(祥伝社刊)
主題歌:ねぐせ。「サンデイモーニング」 音楽:Babi 脚本:坪田文 監督:穐山茉由
@映画「つんドル」製作委員会