ブルーライトカットメガネの唯一の効能とは?

現時点で唯一、ブルーライトカットメガネのメリットとして挙げられるのは、睡眠の質の改善です。

人間は古来、自然光に従って生活リズムをつくってきました。簡単にいえば、朝に目覚めるのは太陽が昇って日光が部屋に入るからですし、夜に眠くなるのは太陽が沈んで日光が途絶えるからです。ところが現代人は、自然光以外にもさまざまな光に囲まれて暮らしています。

本来、夜は日光が途絶えて眠くなるはずなのに、部屋に明かりを灯し、パソコンやスマートフォンを延々と見ている。特に強いのは青い光の刺激です。

そこにブルーライトカットメガネを取り入れてあげると、青い光の刺激が軽減され、自然な眠気が起こってスムーズに入眠、質のよい睡眠が得られると考えられるのです。

仕事が終わり、家でリラックスタイムを過ごすときに、ブルーライトカットメガネをかける。今のところは、これがブルーライトカットメガネの一番の有効利用法といえそうです。

眼科医が警告「ブルーライトカットメガネは子どもにすすめない」臨床実験の結果「近視を進行させてしまう恐れがある」の衝撃_2

子どもにブルーライトカットメガネは、すすめない

一方で、子どもがブルーライトカットメガネを使用することについては、臨床眼科学会など7学会が合同で「基本的に推奨しない」という声明を出しています。

きっかけは、あるメーカーが渋谷区在住の子どもたちにブルーライトカットメガネを無料提供するというキャンペーンを発表したことでした。結局、学会から声明が出されたことで、このキャンペーンは取りやめになりました。

特に子どもにはブルーライトカットメガネを「推奨しない」としたのは、青に近い紫色や赤色の光には、近視を抑制する作用があるかもしれないといわれているのも一つの理由です。さらには人為的に成長期に特定の波長をカットすることが将来の目にとってどういう影響を及ぼすかが不明であるからです。子どもがブルーライトカットメガネを使うと、紫色の光が入らなくなることで近視を進行させてしまう恐れがあるのです。