#2 他人の心を読み、記憶や思考を盗む「読心術社会」が私たちに訪れてもまったく不思議ではない根拠

ついに「スマホの次」が現れた

「電波も届かない秘境にある旅館が人気」というニュースを耳にした。スマートフォンが強制的に使えなくなるため、メールや電話などの仕事の連絡や情報が飛び込む時間をゼロにできることが人気の理由だという。日本人だけでなく、海外からの旅行者にも大人気だというのだ。

スマートフォンは現代人の生活と切っても切り離せない存在だ。電話以上の性能を持つ超小型PCでもあるからだ。スマートフォンは将来、「スマートグラス」に取って代わられる時代が来るだろう。スマートグラスとは、メガネ型のウェアラブルデバイスのこと。「スカウター」という言い方もある。映画『マイノリティ・リポート』や漫画『ドラゴンボール』などのSF作品でも登場するテクノロジーだ。

メガネ型のスマホを待ちわびる人に知ってほしい「スマートグラス」という夢のデバイスが持つ計り知れない威力_1
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スマートグラスの外観、機能は現時点で次のようなものになると考えられる。簡単にいえば、メガネ型のスマートフォン(小型PC)だ。メガネとしてのフレーム、レンズ、カメラ、電子機器(小型PC機能)、BCI(ブレインコンピュータインターフェース)が主に取り付けられるだろう。もちろん、ネット環境にもアクセス可能だ。

レンズは、ディスプレイになる。そのディスプレイ上には、カメラで撮影した風景、レストラン、観光名所、電車、バスなどの画像にさまざまな情報が表示される。例えば、レストランのおすすめメニューや観光名所の詳細な説明、電車、バスの時刻表などだ。ほかにも目的地へ行くためのナビゲーション機能もあるだろう。ARを使って、さまざまな情報を付加してくれるし、多言語翻訳だって可能だろう。人の行動からAIが犯罪予測だってしてくれるかもしれない。

検索もできる。現在のスマートフォンでの検索は、検索エンジンに文字をタイピング、もしくは音声で入力している。スマートグラスでは検索したいことを思い浮かべるだけでいい。BCIが脳波をキャッチし、検索してくれるのだ。検索結果はレンズ上に表示される。レンズ上に表示された情報は、眼球の視点や脳波などでポインターを動かし、選択できる。

ここまで「レンズがディスプレイになり、情報が表示される」と伝えたが、情報はレンズではなく、眼の網膜に直接投影されるかもしれない。また、フレームに搭載された骨伝導スピーカーによって、音声や音楽を聴いたりすることもできる。