「この漫画の筋肉はすごい!」と思う4作品

――描いていて好きな筋肉の部位はありますか?

前鋸(ぜんきょ)筋と腹斜筋が好きなんです。 アバラの辺りに前鋸筋と腹斜筋が網目状にクロスする形でついていて、人体としてすごく違和感がある。人間の一部が網目状になってるって気持ち悪いじゃないですか。でも、それがしっかり決まると、すごくかっこいいんです。その部位をしっかり描いている漫画を見ると「お前、筋肉好きだな!」と思います(笑)

【漫画あり】「ガチのマッチョから“バカにすんじゃねぇよ!”と思われないように真摯に描く」『筋肉島』成田成哲がボディビル業界のタブーに挑む理由_6
成田さん自身もふだんからボディメイクに励んでいる

――成田さんから見て、筋肉の描写がすごいと思う漫画は?

『TOUGH』の猿渡(哲也)先生はやばいです。あとは『Dr.STONE』のBoichi 先生(作画担当)に、『ベルセルク』の三浦(建太郎)先生……ちょっとベクトルは違うけど、『グラップラー刃牙』の板垣(恵介)先生もすごいですね。

――『筋肉島』を読んだ人に「自分も鍛えたい」と思ってもらいたいですか?

思ってほしいですね〜。皆さんも筋トレしましょう、健康寿命が延びますよ! ただ、これもまたすごく難しい話で、筋トレをしてる人たちには、健康になりたいライト層と、その先で「俺はマッチョになる!」と思っているヘビー層がいるじゃないですか。そのディープな人たちは健康なんて考えてないんですよね。俺も、血管ぶちぶちになって耳鳴りさせながら「こんなのが健康にいいわけねーだろ!」と100kgくらいのベンチプレスを上げてますから(笑)。

だから、マッチョがステロイドの健康被害を言うことも、個人的にすごく違和感があって。 トレーニングで関節ブッ壊しちゃう人もいるし、筋肉断裂してるみたいな人もいるし、極端な例では、コンテストに出れなくなるからと、目の治療のための薬を拒否して、片目が見えなくなった人もいるんですよ。 そういう人たちが健康を気にしている訳がないのに、ステロイドだけは「健康被害」と言われている。この問題もこれから漫画に描きたいなと思っていて。