区切りなく続く交友関係に辟易する子どもたち

「みんなスマホを手放せないんですよね。『すぐに返信をしないと“ハブ”られちゃう』『何を言われるかわからない』とノイローゼのようになっている子もいます。
夜中でも着信音が鳴ったら起きてスマホを見るそうなんです」

そう話すのは困窮世帯の親子を支援するNPO法人・CPAO(シーパオ)代表の徳丸ゆき子さん。
今の若者世代にスマホは必需品。メッセージアプリやSNSなどの普及もあって、友人と交流する時間は学校にいる間に限定されないことも大きいのだろう。徳丸さんは続ける。

繁華街のキッズと交流する徳丸ゆき子さん
繁華街のキッズと交流する徳丸ゆき子さん

「昔は学校でいろいろあっても、家に帰れば学校生活とは区切ることができていた。でも、今はずっとネットでつながっている。そのつながりをおろそかにするとハブられてしまう。
だから、どこにいても、何をしていても、ずっとスマホを手放さずに通知を見ておかなければならないし、すごく気も使うそうなんです」

だからなのか、子どもたちは精神的に強いつながりを持つ親友、いわゆる“ニコイチ”の存在が重要なのだという。

「SNSのプロフィールにも、誰とニコイチなのかを明記したり、スマホのGPSを常にオンにしていて、お互いがどこにいるのかをわかるようにしている。
そして、『一生一緒にいようね』『ニコイチに裏切られたら死ぬ』と強い絆を求めるんです」