少年院へ送致したほうが子どものためになる場合も
一時保護施設に入った子どもたちで、内省ができるようになる子はいないと徳丸さんは話す。
一方、少年院では最短で4ヶ月、平均収容期間は約1年。
「入所期間中にひとりずつ丁寧に人として向かい合ってもらえる。そして、生活面と勉学面の両方の教育を受けて、人として成長することができるんです。
すると、『なんで俺はあんなことしたのか』『今になったら恥ずかしい』『社会に対して悪いことをした』と自分を見つめ直せるようになるんです」
それどころか、少年院に入所した子どもたちはこんなことも言っていたという。
「『(少年院に入って)初めてまともな大人に出会えたと思った』や『社会に戻るのが不安だからできればずっとここにいたい』という子もいました。
一度矯正施設に入った経験がある子は、再び街に出たとしても、キッズたちと一緒になって、自らを傷つけたり、悪いことに手を染めたりすることを踏みとどまるケースが多いように感じます」
とはいえ、少年院などの矯正施設に入る子供より、一時保護所に保護される子供のほうが、圧倒的に数が多く、相談員の業務はキャパオーバー状態。
さらに、児童相談所の一時保護施設では、虐待を受けた子供と非行の子供が一緒に保護されていることや社会的イメージがよくないのも問題だ。
一時保護され、大人を信用しなくなり、再び“界隈”へ……。
キッズたちが陥るこの負のスパイラルを断ち切る制度をつくらなければ、行き場をなくしたキッズたちを救うことはできない。
取材・文/中山美里
集英社オンライン編集部ニュース班
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