即日高額案件ございます

次に、特殊詐欺などの人員を手配したことがある半グレの証言を紹介します。ただし、この人物の人員手配は、SNSではなく、やはり地縁的な友人知人の繫がりを介したものです。

周りや東京の連中から聞いた「オレオレ(詐欺)」の話だと、かけ子は20%、受け子は10%の報酬。これはケース・バイ・ケースだと思います。大阪も同じで、これ(報酬)は話を持ってきた人間のさじ加減で、どうにでも変わるようです。

自分らは、かけ、受けの紹介をすることはあったと言いましたが、かけ20%、受け10%と言われても交渉をする。たとえば、その報酬でいいが、そいつがパクられたときは、かかる弁護士代はそちらで見てくれとか。もし、それができないのであれば、それもブッ込みで10%アップしろとかです。

いずれにしても、このかけ20%、受け10%は平均ラインに過ぎない。汚い奴ほど自分が多く持って行こうと考えるのは、どこの世界も同じでしょう。だから、青少年を安く使うんでしょうね。

こうした地縁型に加えて、闇バイトの人員は、SNSで募ることが多いようです。SNSでは、たとえば、次のようにシンプルな文面で募集しています。

「即日高額案件ございます。ハイリスクハイリターン、我々の方で全力でサポートさせて頂きます。単価500〜1500万案件多数です。#闇求人#闇バイト#叩き#アポ電#裏バイト#裏仕事#強盗#即金#高額案件」

コロナ禍で困窮し、仕事を失った非正規労働者や一人暮らしの学生は、こうした募集に騙されるかもしれません。一度だけ、この窮地を抜け出すためにと考えて闇バイトに応募したら、先述した闇バイト組織の人間が言うように、恫喝によって逃げられないようにします。

そのために、闇バイトに応募してきた人には、免許証の写真を送らせたりすることで個人情報を聴き出し、「(闇バイトを)抜けるなら家に行くからな」とか、「裏切ったら個人情報をネットで晒すぞ」と脅かすことで、一度入ったら抜け出せないようにして、犯罪を続けさせるのです。

「即日高額案件ございます。ハイリスクハイリターン、全力でサポートします」大手求人サイトにまで載る闇バイト募集。若者が人生を搾取されてしまうその実態と勧誘システム_2

あるいは、「お前、強盗やったよな。犯罪者なんだから、お前の個人情報をネットで拡散するよ。人生終わりになるけどいい?」などと脅されることで、闇バイトの集団に飼い殺しにされ、第二、第三の犯行を重ねることになるのです。