闇バイトで犯罪に加担する青少年が増加
「闇バイト」に応募し、犯罪に手を染める青少年が後を絶たない。
警察庁の「令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)」によると、令和4年に特殊詐欺などの犯罪に従事した少年(18歳以下)の検挙人員は473人で、令和3年よりも40人増加している。総検挙人員に占める少年の割合は19.2%にものぼる。少年と特殊詐欺を結び付けているのは、「闇バイト」だ。
文部科学省は2023年8月10日、警察庁からの依頼を受け、「少年をアルバイト感覚で犯罪に加担させないための対策について」と題して、全国の学校設置者や教育委員会に向けた事務連絡を発信した。児童生徒の非行防止指導を行う際には、闇バイト問題についても積極的に取り扱うようにと呼びかけている。
「闇バイト」とは、バイトという言葉が入っているが、実際には詐欺や強盗などの犯罪を実行することだ。特殊詐欺の「受け子(現金を受け取る役目)」や、強盗の実行役として店を襲うなどし、逮捕される。首謀者は秘匿性の高いアプリなどで指示だけを行い、報酬を得られたら実行役を切り捨てる。
愛知県警の千種警察署と名城大学ボランティア協議会が管内の高校生1000人を対象に行った調査では、「闇バイトに誘われた経験があるか」の問いに2%が「ある」と答えたという。これは、50人に1人の割合だ。
闇バイトといえば、ネットで自ら応募するイメージを持つ人が多いかもしれない。しかし、上記の調査のように「誘われる」ケースもある。10代が闇バイトに応募するきっかけには、どのようなものがあるのだろうか。