「明日売れようと思って生きています」
今では、お笑いライブができる劇場も多くなった。高額賞金のかかった賞レースも複数ある。チャンスは確実に増えたが、それをつかめる人は限られている。
「昔とはずいぶん環境が変わりましたが、絶対に売れる方法はありません。逆に芸人をやめるセンスを持っている人はすごいなと思っています。僕はサーフィンをやってるんですけど、その師匠が吉本で芸人だった人。不動産業に転身し、手広く事業をやっています。
今は東京大、京都大、東京工業大など、すごい学歴の芸人がたくさんいます。『パンケーキ食べたい!』というネタでブレイクした夢屋まさるは慶應大出身で、今はテレビ朝日に入って番組をつくる側に回っています」
42年の芸人生活を振り返って何を思うのか。
「相方のリッキー(現・サンミュージック副社長)と揉めたこともありましたけど、芸人をやめたいと思ったことはなかった。
24歳でお笑い芸人になって20年くらいは順調にいっていて、食うのには困りませんでしたから。仕事があったから続けられたというのが現実かもしれません」
1954年生まれのぶっちゃあは最後までこの道を歩いていくつもりだという。
「今も『明日売れよう』と思って生きています。来年70歳になりますけど。気持ちはずっと変わりません。大きく羽ばたけなくてもいい。低空飛行でもいいからそれを続けていきたい。あと5年くらいすると、面白くなるんじゃないですか」
取材・文/元永知宏
写真提供/ぶっちゃあ
編集・撮影/一ノ瀬 伸