もし「眠くなったら寝る」を実践できず、睡眠の質が高まらないとどうなるのでしょうか。実は眠いというのは身体が発するアラートであり、これを無視し続けると5月病だけでなく、睡眠障害やそれに起因していると思われる糖尿病などの疾患に悩まされる可能性があります。

近年、睡眠に関する研究が進み、さまざまなことが明らかになりつつあります。

その1つが「ウイルスへの感染リスク」です。当社では、2021年1月に全国47都道府県の1万人(性別・年齢・都道府県で割付)を対象に、睡眠習慣や睡眠の質をスコア化する調査を実施しました。

それによれば、睡眠の質の高さと免疫の強さには相関関係があることを示すデータが得られています。特に新型コロナウイルスの疑いがあった方は、睡眠偏差値が低い傾向にありました。

「5月病」を吹き飛ばせ! 睡眠研究の第一人者が伝授する「人生の質が変わる超カンタン睡眠術」_2

もちろん、この調査だけでコロナウイルスへの感染リスクと睡眠の質に相関関係があると言い切ることはできません。しかし、相関関係がありうることはデータから明らかになっていると言えます。

アプリを使わずに「睡眠の質」をチェックする方法

睡眠の質を決定づける要素は、色々とあります。例えば体の内部の体温はその1つで、入眠時は皮膚から放熱されることで体温はさがります。お風呂に入るタイミングや寝具選びなども、この観点で選ぶ必要があります。

一方で、寝ている時に覚醒して起きてしまう、いわゆる「中途覚醒」の状態になる方もいらっしゃるかもしれません。

そのような方は5月病による影響ではなく、まず睡眠障害に陥っていないか見極める必要があります。たとえば、睡眠時無呼吸症候群等の睡眠障害に陥っていると、生活習慣を変えるだけでは睡眠の問題はクリアできません。

それでは、質の高い睡眠がとれているのかどうかは、どのようにして見極めればいいのでしょうか。最近はスマートフォンのアプリなどもありますが、私からすると睡眠障害の診断に用いるには精度は十分とは言い切れません。

そこでお勧めしたいのが「周囲の人に見てもらう」ことです。家族がいらっしゃる方であれば、睡眠時にいびきをかいていないか、呼吸が一定の頻度で止まっていないか、足などが勝手に動いていないか、なにか気づいたことがあれば教えてもらうようにしましょう。

特に「睡眠時無呼吸症候群」には注意が必要です。呼吸が止まる頻度が多い方はその可能性が高く、この場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。