日本で週刊誌に報じられたら「一発退場」
おそらく今の日本で週刊誌に報じられたら「一発退場」となりそうなエピソードばかりだ。
「スクープ撮! ジョンがお忍びで通う“特殊なサービス”のお店とは」なんて感じの記事が出て、世間に叩かれるわけである。
それゆえに、海外アーティストの自伝などを読むと驚かされる。
その多くが赤裸々。「えっ、そんなこと活字で残しちゃっていいの?」と心配になるレベルのエピソードが語られているからだ。
おそらくは国や地域によってアーティストという存在の位置付けが異なるのだろう。
どんな分野でも、成功したアーティストは突出した才能を持っている。しかし同時に、備わっている才能と同じかそれ以上に、社会的に欠けているところも見える。
欠けているというよりも、その他大勢の人との〝違い〟といったほうが正しいかもしれない。でも、その違いにこそ魅力がある──こんな考えが欧米ではある程度共有されているのではないか。『不道徳ロック講座』を書きながら、そんな風に思った。
文/神舘和典 写真/Shutterstock












