ミネラルウォーターより安い“生中”も
だが、ところ変わってサラリーマンの聖地、東京・新橋では生ビールを主戦場とする激安戦争が勃発していた! 熾烈な低価格競争をリードしてきたのは新興の居酒屋チェーンだ。
コロナ禍の20年6月、大阪を本拠にする居酒屋チェーン・GALAがプレミアムモルツの生中を常時180 円で提供する店舗『勝男』をJR新橋駅の烏森口エリアに出店。
さらに安い生ビールを提供しているのが、名古屋市本拠の居酒屋チェーン・ファッズが展開する『新時代』だ。『新時代』は、アサヒスーパードライの生中を190円で提供し、新橋に3店舗を展開していたのだが、昨年4月、JR新橋駅銀座口に新店オープン。この店の生中の価格はなんと、常時90円。コンビニのミネラルウォーターよりも安いのだ!
だが、これに驚いてはいけない。まん防が解除される直前の今年3月、JR新橋駅前の商業ビル・ニュー新橋ビルの2階に、さらに一段安い生ビールを提供する店が現われた。
都内の激安居酒屋の最新事情をレポートする『新橋酔式の泥酔ブログ』の管理人がこう話す。
「都内に20数店舗の激安居酒屋を展開する『有限会社・飯田』が出店した『たぬき』は、サッポロ黒ラベルの生中を、新橋最安値となる80円で提供しています」
日本経済全体がインフレで揺れるなか、それとは対極の“超デフレ化”が進んでいる居酒屋業界。このままでは1杯50円の生ビールが登場する日も近いかもしれない。そして“店で飲む文化”ははたして戻ってくるのだろうか?