「本当は何がしたいの?」母の言葉で原点回帰
「大学時代にはしっかり決めていた」というのが、女優業だ。卒業後、助監督の仕事に忙殺されて忘れかけそうになるも、母親に「本当は何がしたいの?」と言われて原点回帰。豊川悦司、余貴美子、滝藤賢一、伊藤沙莉ら多彩な実力派が所属する現事務所に入った。
「『私は映画が好きなので、とにかく映画に出たいです』とお話をして入りました。最初のころは、人を感動させたり、笑わせたり、いろんなことをやってみたいと夢ばかり持っていましたが、最近は現実と地続きに思ってほしいというか。
演じているキャラクターを見て、『こういう人、いるよね』と思ってもらえて、見終わった後も、その役が生きていると思えるくらい、地に足のついたキャラクターにしたいと思うようになりました。
その一方で、仕事柄、前に出るときは出て、魅せるときは魅せなければいけない。そのさじ加減を勉強していかないといけないなと思っています」
今後は女優業に邁進しながら、機会があれば監督にも挑戦したいという。
「大学時代に、自分で監督して出るという傍若無人なことをやっていましたから、撮れる機会があればまた撮りたいです。当時の仲間が、今はいっぱしのプロとして業界に何人もいますから、『各部署集合!』と号令をかけて作れたら楽しいかなと思います。
俳優としては、デビューから5年でいろんな役をいただいてきました。特に多いのは、ちょっと陰がある、おとなしめのキャラクター。この見た目や雰囲気は、もう変えられないと思うんですよ。ずっと『未亡人』ですから(笑)。
だからこの延長線上で私ができることを探しつつ、いろんなキャラクターを演じていけたらいいなと思っています」
終わり
取材・文/泊 貴洋
撮影/柳岡創平
場面写真/©2023日活
編集/一ノ瀬 伸
『セフレの品格 初恋/決意』(2023年)
監督・脚本/城定秀夫
原作/湊よりこ『セフレの品格』(双葉社 JOUR COMICS刊)
出演/行平あい佳、青柳翔、片山萌美、新納慎也
「初恋」:川瀬陽太、こころ、伊藤克信、寺島まゆみ、田中美奈子
「決意」:髙石あかり、石橋侑大、大嶋宏成
企画・製作・配給/日活
『セフレの品格 初恋』
36歳、バツ2のシングルマザー・森村抄子(行平あい佳)は、高校の同窓会で、初恋の相手で産婦人科医の北田一樹(青柳翔)と再会する。ホテルに誘われ、数年ぶりのセックスに快感を覚えたが、一樹から「セフレ」の関係を提案される。<R15+>
『セフレの品格 決意』
一樹は17歳の少女・山田咲(髙石あかり)と出会い、抄子にセフレの関係を終わらせることを提案する。失意の抄子が出会ったのは、23歳のボクサー・市原猛(石橋侑大)。猛と体の関係を持つようになった抄子だったが、一樹のことが忘れられないでいた……。<R15+>
『セフレの品格 初恋』7月21日(金)、『セフレの品格 決意』8月4日(金)、2部作連続公開
公式HPはこちら https://sfriends-pride-movie.com