●やたらと出てくる「指パッチン」とか「失われた5年間」ってなんのこと?

さて、たびたび出てくるこのワードがわかってないと、現在のMCUはわからない。

これは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『同/エンドゲーム』で描かれたエピソード。ざっくりまとめると、サノスという敵が、宇宙の生命の半数を消滅させるため、そろったときになんでも願いがかなう6つの石を集めようとする。サノスの強さにはアベンジャーズもかなわず絶体絶命となるが、あらゆる未来を見通したドクター・ストレンジが、「いったん石を渡してサノスの思い通りにするしかない」と断言。そのためにサノスは願いをかなえ、ランダムに人類の半分が消失するも、まあ、いろいろあってアベンジャーズは石を取り返し、サノスを打倒して、人々を取り戻した…という流れ。

その願いをかなえるときに、石を装着したガントレット(小手。手袋のような防具)をはめて、指を鳴らすのがいわゆる「指パッチン」(英語ではThe Blip)。願い手にかかる負担も莫大で、サノスを倒す際にこれをやった超重要なキャラクターが命を落とすことになった。

そのキャラをはじめ勝利のために命を賭した人々の尊い犠牲、また、愛する人、または自分が消えていた間に過ぎ去った5年という時間…。サノスに石を渡す以外に勝利の方法があったのでは?と、ストレンジを責める向きもあるわけだ。それが教会で同僚に再会したときのシーン。ストレンジが人に心を開けないのは、生来の傲慢な性格もあれど、あのときの自分の責任の重さをわかっているからかもしれない。つらいですね。

マーベル沼に踏み入らずとも楽しめる! 『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』がだいたいわかる初心者向け雑解説_6
「選択肢はなかったのか」と責められるシーン
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