川上さんが学校をつくる理由

藤澤 N高に行ってよかったことはある?

上野 年に5日間、N高に通ってテストを受けたりするのですが、そのときたまたま隣になった子たちと一緒にパンケーキを食べに新宿に行ったのはいい思い出です。
それと、好きなときに好きな教科を自分の気分次第でできるのが、プロ棋士にはすごく合っています。

藤澤 学校に毎日通うと碁の勉強量が減るし、体力的にも疲れるけど、私の弟子も碁の研究の気分転換で1時間くらい授業を見ておこうか、といった感じで学業をやっていましたね。

ふたりが師事する藤田一就八段
ふたりが師事する藤田一就八段

上野 ネット碁で負けたあとに「あーあ、学校の勉強しよ」みたいな(笑)。

川上 宣伝みたいになって胡散臭いのでやめましょう(笑)。

上野 (笑)。(川上さんが顧問を務める)ドワンゴさんが設立するZEN大学(2025年4月開学予定)は学費が年間35万円なんですよね。安くて驚きました。

川上 日本って単純に不公平なんですよ。地方と都会だと都会のほうが平均収入は高いのに、地方の人が大学に通おうとしたら下宿をしなきゃいけないからお金がかかる
欧米だとお金持ちが私立大学で教育を受けて、お金を持ってない人は国立大学に行くけど、日本はその逆で、年収1000万以上の家庭の子どもは半分以上が国立大学へ進学する。
それってちょっとおかしいでしょ。

「囲碁のヨセは経営者でいうなら人間関係のケア」上野愛咲美×川上量生、“N高対談”! 新たに開学予定のZEN大学の講師に、との声に「ぜひやってみたい」_6

上野 通信制とネットの学校の違いとはなんでしょうか。

川上 通信制の学校ってテキストが郵送されてきて、その課題をこなして送り返すやり方。でも、それだと学校とはいっても自分ひとりの孤独な戦いで、他の生徒とのコミュニケーションが基本、まったくない。
だからそういったコミュニケーションをオンラインの学校で作りたかったんです。