卒業文集には修学旅行の思い出

多少「複雑」とはいえ、側からは「一家」が大きな問題を抱えていたようには映らなかったようだ。A容疑者の母親がかつて働いていたコンビニエンスストアのオーナーにも、一家に対する負のイメージはなかった。

「8年くらい前だけどウチのコンビニで母親が働いていたことはあるよ。父親は60代くらいで母親は40代だね。最初の出産は16歳のころだったという話をしているのを聞いたことがあるから、今、一番上の姉が20代後半くらいだと思うよ。まだ若いお母さんだよ。
ウチで働き始めた当初は家にテレビもなかったみたいで、母親も携帯を持っていなかった。父親はトラック運転手だったし、そんなにお金がないということもないと思うんだけど、子供が6人もいれば普通に生活していてもお金がかかったのかもしれないね。子供を放置したりネグレクトをしたりなんて聞いたことないけど、6人もいたら目が行き届かないことはあったんじゃない。子供がそれだけいてアルバイトもしてたら時間足りないでしょ。子供が好きだからこそ6人もいるわけだし。うちでも『子供に買って帰る』と食料品を大量に買っていってたこともあったしね」

Aの小学校の卒業文集
Aの小学校の卒業文集

たくさんのきょうだいとともに、活発な少年時代を送りながら、人知れず心の奥底に怒りのマグマを溜めていったA容疑者。自衛隊入隊の直前までをともに過ごした親友たちは今、何を思うのかー。

♯3に続く
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班