魔法が全ての世界で生まれながらにして魔法が使えない主人公・アスタ。そんな彼が魔道士の頂点「魔法帝」を目指す漫画『ブラッククローバー』が「週刊少年ジャンプ」での連載、アニメ化を経て、ついに映画化される。

原作では明かされなかった魔法帝の物語を映画オリジナルのストーリー、アスタの声優を務める梶原岳人、アスタの幼馴染で同じ魔法帝を目指すライバル・ユノの声優を務める島﨑信長に話を聞いた。

「考えに直結して体を動かすので気持ちいい」アニメ『マッシュル-MASHLE-』で声優・小林千晃が挑む“葛藤のないヒーロー”_1
主人公・アスタ ©2023「映画ブラッククローバー」製作委員会  ©田畠裕基/集英社
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互いが輝けるような芝居ができたら

――今回の映画は原作にはないオリジナルストーリーとなっています。シナリオを読んだときの率直な感想を教えてください。

梶原 映画館で観るからこその規模感のシナリオですよね。きっと大きなスクリーンでいい音響で楽しめる作品になっているなと。あとは演技でがんばろうと思いました(笑)。もともとアスタが憧れている魔法帝という存在と戦わなければならないことに葛藤があったと思いますし、だからこそ、気持ちと気持ちのぶつかり合いが大きく描かれているので、その点では闘志を燃やしやすかったかなと思いました。

島﨑 今回原作の田畠裕基先生監修ということで、案出しをしてくださったと思うんですけど、こんな歴代魔法帝が出てくるだなんて本編で使えそうなおいしいエピソードをよく映画のために出してくださったなと。

梶原 確かにそうですね(笑)。

島﨑 しかも歴代の魔法帝が4人も一斉に。当たり前ですけど、めちゃくちゃ強いんですよ。だって魔法帝ですもん。心も体も強いことは確約されていて、でも相手が強ければ強いほど挑むほうも輝くんですよね。お互いが際立つというか。

(梶原)がっくんも芝居でがんばるしかない、って言っていましたけど、キャスティングも強い方々です。挑戦者が思いっきりいかないと、強い人の強さも輝ききらないんですよね。なのでお互いがしっかり輝けるようなお芝居ができたら、とは思いました。

「考えに直結して体を動かすので気持ちいい」アニメ『マッシュル-MASHLE-』で声優・小林千晃が挑む“葛藤のないヒーロー”_2
島崎信長さん

――本作におけるアスタとユノに対してはどのような印象を持たれましたか。

梶原
 掛け合いをするシーンもあって、一緒に戦うというより心と心でつながっているから俺たちでできることを頑張ろう、という形でやっていました。信長さんとはアフレコでは会わなかったんですよね。

島﨑 そうだね。(関)俊彦さんと録ってたんでしょ?

梶原 そうなんですよ。めっちゃ…大変でした(笑)

島﨑 ひとりで戦い続けるしかないもんね。こっちは団長たちがいたから。これなら魔法帝ともやり合える! と思えるメンバーだったね。やっぱりキャストの声も強いし、団長勢が組んでも、それでもやっぱり届かないかもしれない、と思うのが魔法帝の強さなんだな、ということを味わってもらえるチームになっていたと思う。

梶原 逆に単独勝負だったので、アフレコ中も俊彦さんと僕とでずっと2人。本編の時間も長いので、それだけ一緒にいる時間も長いんですけど、だんだん自分の体も疲弊してくるし、一度「もうダメかもしれない」と思うときがあったんです。ちょっと走りに行ってきます、ってブースを出て体を軽く動かしてきたりして。この上がり切ったからだを落ち着かせなきゃ、という体との問題もありましたね。

島﨑 ぎりぎりの戦いだね。アスタのように心も体も疲弊しながら。

「考えに直結して体を動かすので気持ちいい」アニメ『マッシュル-MASHLE-』で声優・小林千晃が挑む“葛藤のないヒーロー”_3
梶原岳人さん