コントロール、ギアの上げ下げ…技術は球界屈指

村上投手は、ルーキーイヤーの2021年にファームで10勝1敗、防御率2.23を記録し、最多勝、最優秀防御率、最高勝率の投手三冠を獲得。プロ2年目の2022年にもファームで最優秀防御率、最優秀勝率の二冠という好成績を残しています。

しかし、「今シーズンの活躍を予想していましたか?」と聞かれると、答えは否です。そもそも、ファームで活躍しているということは、耳にしていただけで、実際の投球やブルペンでの投球を見る機会もなかったので、活躍を予想できようもありません。

鳥谷敬が「金本知憲さんを彷彿」と語った佐藤輝明の「打球角度20度弾」_2
鳥谷敬氏
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打者目線で言えば、実際に投球を見ていないと、いくら映像で見てもわからないものです。対戦経験がない場合、打者はどうしても受け身にならざるを得ないので、投手が絶対的に有利です。

そういう意味では、今シーズン、これまで対戦してきたほとんどの打者が、村上投手の投球を実際に見ていない状態だったわけですから、映像で見る投球と実際に見た投球にギャップがあることは間違いないのでしょう。

それに加えて村上投手はコントロールも抜群です。1試合に四球をひとつ許すかどうかというレベルでボールを操れるということは、投球をしながら、ギアの上げ下げも自由自在に調整していると言っていいでしょう。球界の中でも、屈指の技術を持った投手のひとりだと思います。