藤川球児さんとの共通点

藤川球児さんがブレイクした2005年、遊撃手のポジションから見ていると、相手打者はストレートがくるとわかっているのに、そのストレートを打ち返せないことで、どんどん苦しくなっているように感じました。

変化球を狙っていて変化球が打てないことよりも、ストレートを狙っていてストレートを打てないことのほうが打者にとっては嫌なものです。今シーズン、村上投手と対戦している相手チームの打者たちは、同じようなジレンマを感じているのではないでしょうか。

ただ、どの選手にも好不調の波というものがあります。だいたい30日から45日が周期ではないかと思うので、村上投手も、そろそろ苦しい時期にさしかかるかもしれません。一軍で先発ローテーションを守り続けることは、想像以上に疲労があるはずですし、その状態でどれだけ思うようにボールを操れるかは、村上投手にとっても未知数だと思います。

最大の武器であるストレートの質が落ちれば、その他のボールにも影響が出てくるでしょう。苦しい時期でも、なんとか試合をつくって、先発ローテーションを守りながら、また自分の状態が上がってくるのを待ってほしいものです。

と、普通であれば心配するところなのですが、ファームで年間を通して成績を残すということを、2年連続で成し遂げてきた村上投手なので、そのあたりも心配無用なのかもしれませんね。

構成/飯田隆之