両親の仲が悪いと子どもは結婚しない

年収以外に親から提供される「子の環境」というものを考えた時に、家庭内の人間関係の環境がある。親子の人間関係もそうだが、両親の関係性というものもある。つまり両親たる夫婦の仲のよさ加減だ。

子は親のことをとにかくよく見ている。たとえば、関係性が険悪になった夫婦が、子どもの前でどんな仮面で取り繕ったとしても、子にはバレている。両親がしょっちゅう夫婦喧嘩するような環境で育った子どもが、「自分も結婚したい」と思うだろうか。

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実際、私が調査したところでも、両親の仲がよければよいほど、その子の既婚率は高まるという強い正の相関が見られている。特に、男女とも40-50代の中年層(いわゆる生涯未婚率対象年齢)ほど仲の悪い両親の環境で育った人は有意に未婚のままなのである。50代未婚女性の場合は、平均より1.7倍も未婚率が高かった。

勿論、親の仲が悪くても、離婚したとしても、自分はそうならないようにしようと結婚してしあわせな人生を送っている人もいるかもしれない。これだけで未婚化すべてを説明できるものとは思っていない。

両親が仲睦まじい場合でも子が生涯未婚になる可能性もある。しかし、親の影響がまったくない子もまたいないのである。親が貧乏だと物理的影響により結婚ができなくなり、親の仲が険悪な環境下で育つとその子は心理的影響により結婚できなくなるということもあり得ると考えた方がいい。