職場で撮った楽しい写真。
SNSにアップしたら懲戒処分を受けました!
プライベートでSNSを楽しく活用する人は多いでしょう。でも、オフィスや会社のイベントで撮影した写真をSNSにアップロードする行為はコンプライアンス上、かなりきわどいものといえます。そうした写真を会社の許可なく公開すれば、懲戒処分を受けることも十分ありえます。
企業がSNSへの写真投稿に厳しく反応するのは、写真には撮影者が想定する以上に多様な情報が含まれているからです。
例えば、職場のデスク上に置かれた商品はスポンサー企業の競合会社のものだったりしませんか? たった写真一枚でも、企業は運営上のリスクが増えることになります。また、写真の中に第三者が写り込んでいた場合、肖像権侵害にあたる可能性が高まります。知人が見たら個人が特定できるレベルで写っている写真は、なおさらです。プライバシー保護の観点からも、このような写真は公開するべきではなく、もし公開するとしても、モザイクをかけるなど個人の特定ができないような配慮が必要です。
SNSは個人でも手軽に情報発信ができる便利なツールですが、近年は個人のSNS投稿が原因で、いわゆる炎上状態となり、大きな損失が出る例も増えてきました。もちろん企業がスタッフに対してSNSの利用を禁止することはできませんが、顧客情報や守秘義務の漏洩につながることや、肖像権の侵害に当たるような投稿に対して、就業規則や企業内ガイドラインで制限をかけることは合法です。
また、上場企業は業務に関する投稿自体がインサイダー情報にあたる可能性もあり、会社の信用にも関わります。意識の低い労働者を抱えている会社なのだと見られ、ネガティブな評価につながりかねません。
このように、就業規則に懲戒の規定があり、SNS投稿に関する記載があれば、会社は個人が行ったSNSの投稿に対しても懲戒処分を行うことができます。
アドバイス:
顧客情報や守秘義務にあたる内容、肖像権の侵害に関するものは、懲戒処分の対象になる場合があります。