母親は銃を渡してもらうことを最優先に考えていた

これまで青木家と親交があり、事件後も、政憲容疑者の両親と連絡をとり続けている親戚は記者の取材に肩を落とした。

「政憲のお父さん、お母さんも事件後に連絡をもらいましたが、『申し訳ない、申し訳ない』と私ら親戚や被害者に対して言っていて、2人とも疲弊しきっていました。
私の妻が受けた電話では、政憲が逮捕された時の事を少し話していたようですが、『とにかく銃を渡してもらうことを最優先に考えていた』と言っていたようです。

『お母さんが撃とうか』という言葉に関して、それが本心なのか、どんな心境だったのか、私にはわかりません。ですが、お父さんやお母さんがこれまで政憲のことを大事に思って育ててきたことは間違いありません。政憲が小さな頃は両親は『まー』と呼んでいて、大人になってからは『政憲』と呼んでいました。うちの子供も政憲も小さな頃はよく遊ぶこともありましたが、その頃も乱暴とかそういうことはなく普通の子供でした。小さな頃は拳銃のおもちゃで遊んだりもしてましたが、それもあくまで子供が遊んでるだけという感じです。盆や暮れには会っていましたが、いつも元気に遊んでいる普通の子供でした」

小学校の卒業アルバムより(同級生提供)
小学校の卒業アルバムより(同級生提供)
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どこでボタンのかけ違いが始まり、いつ取り返しがつかなくなったのだろう。犬好きの孤独な青年が、なぜ4人の命を奪うところまでいってしまったのか。時計の針は戻せない。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
 

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