世論調査を受けて強まる解散風
一方で、「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」に核抑止力を肯定する文言が入ったことや、日本が参加していない核兵器禁止条約については触れられもしなかったことについては、被爆者団体から「怒りを覚える」などと批判が出ている。
だが少なくとも、世間一般のG7広島サミットへの受け止めは好意的なようだ。
毎日新聞が20、21日に実施した世論調査では岸田内閣の支持率が45%となり、前回の36%から9ポイント上昇。不支持率は46%で、前回から10ポイント下落した。同時期に読売新聞が行った世論調査でも内閣支持率は56%となり、9ポイント上昇。不支持率は33%で4ポイント下落した。
数字に差はあれど、どちらも支持率は大幅に上昇したと言える。
世論調査の結果を受けて、永田町では解散風が一層強くなっている。
もともと、「サミットの効果で内閣支持率が上がり、その勢いで解散するのではないか」という見方はサミット前から広がっていたが、予想以上の大幅な上昇に自民党内では「今解散せずに、いつ解散するんだ」といった声が各所から上がっている。
全国紙政治部記者は「4月の統一地方選での維新の躍進や、自民が衆参5補選で接戦となったことなどを受けて、一時期はサミット後の解散に慎重な意見も多かったが、サミットを経て流れが一気に変わった。自民党幹部からも『解散』という言葉が数多く聞かれるようになった」と話す。