公明党の「ノーコメント」は残念すぎる
自民党議員と旧統一教会の関係が取り沙汰される中、岸田首相は、「党と旧統一教会の関係を断つ」と記者会見で明言しました。
当たり前です。旧統一教会がトラブルだらけの団体だから、ということもありますが、たと えトラブルがなかったとしても、宗教団体とは縁を切らなくてはならないのではありませんか。前にも触れましたが、日本国憲法には、「政教分離」の原則があります。今の日本の状況を
見ると、完全にその原則が無視されているように感じられてしまいます。日本で「政教分離」の話題になるたびに指摘されるのが、公明党ですよね。この党が創価学会という宗教団体を母体とすることは、周知の事実です。
1950年代、創価学会は政界進出を目的として「文化部」を創設、そこから議員を輩出す
るようになります。その後、「政治局」「公明政治連盟」へと改組し、1964年、創価学会から「公明政治連盟」が切り離され、公明党が誕生しました。
特定の宗教団体に属している人が政治家になる分には、信仰の自由というものがありますから、何の問題もありません。宗教団体の信者が個人的に政党を応援したり、その党に投票したりするのも、同様です。
でも逆に、憲法に定められた「政教分離」の原則によると、政治家が宗教団体に応援を呼びかけることは禁止されています。また、宗教団体も、組織的に信者たちに対して選挙の応援を求めてもいけないことになっています。
公明党や創価学会では、これがきちんと守られているのでしょうか。
安倍元総理の銃撃事件を受けて、公明党の山口那津男代表が囲み取材を受けた際、記者が政治と宗教について、「どう考えているか」と質問しました。しかし、山口代表の回答は、「ノーコメント」。がっかりしてしまいました。
日本の「政治と宗教」の代名詞のような存在が公明党。自分たちのスタンスと創価学会の関係性を踏まえたうえで、政治と宗教についてコメントしてくれると期待したのに、「ノーコメント」なんて、残念すぎます。