「仕事に出かけなければなりません」と嘘をつきゴルフに…

祖父の代から京都市内の一等地に複数の不動産を有する資産家一族に生まれた宮本容疑者は、東京でのサラリーマン生活に見切りをつけて5年ほど前にUターン。家督を継いでいた叔母が2年半前に体調不良になったのを機に代表取締役に就任すると、舞妓遊びや美食巡りが度を越して派手になっていったようだ。

宮本容疑者と浜野さんは昨年10月、複数の飲食店で食事や酒を楽しんだ後に浜野さんの自室マンションで飲み直していた。その最中に浜野さんの体調が急変、宮本容疑者は「朝まで介抱したが回復しなかった」と大阪市内に住む浜野さんの両親に連絡した。
社会部記者が言う。

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殺害された浜野さん(知人提供)
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「防犯カメラの分析も含めた二人の足取り捜査からも、宮本容疑者以外に浜野さんにタリウムを摂取させられる可能性のある人間はいなかった。タリウムは水に溶けやすく無味無臭なため、酒に溶かして飲ませた疑いが濃厚です。調べに対し宮本容疑者は、救急車を呼ぼうとしたが浜野さんに『喘息だから呼ばないで』と拒まれたなどと言い訳しており、瀕死の娘を迎えに来た両親には『私は仕事に出かけなければなりませんので』と言って浜野さんを引き渡した。しかし実際にはその後、近くの打ちっ放しにゴルフの練習に出かけたことがわかっています」

その間も浜野さんはもがき苦しみ、3日後に呼吸困難で死亡している。
これを鉄のメンタルと言うのか、人の心を解さぬ鬼畜と言うべきか。いずれにしても宮本容疑者にとってゴルフは、ウソをついてまでやりたい大切なものだったらしい。

大手求人広告会社にいたころのサラリーマン時代をよく知る友人がこう語る。

「真面目で熱心なので仕事もできましたよ。ヤツは結婚情報誌の営業にいたんですけど、ゴルフもそこで覚えてよく先輩や偉い人に連れられてコースに行っていました。当時の社長にも気に入られて、一緒にラウンドしていたとも聞きました。だから、美食以外の趣味といえば、間違いなくゴルフですね」

左京区修学院の約250坪の広大な敷地に3棟の屋敷を擁する宮本家の資産の礎を築いたのは、不動産業だ。宮本容疑者の祖父は、京都の宿御三家で名高い俵屋旅館や柊家の直近の一等地に1974年、約40坪の土地を購入。6階建てのビルを建設し、その2階部分を事務所に充てて手広く不動産会社を営んだ。祖父にどういう意向があったのかは定かではないが、この本体の不動産会社を受け継いだのは、宮本容疑者の父の姉である叔母だった。
株式会社から有限会社に形を変え、商号も変えて2000年に現在の会社が設立している。宮本容疑者の父は、ケーブルテレビの敷設などを主な目的にした会社を立ち上げたが、親子の折り合いは良好とはいえなかったようだ。

京都市内に住む古くからの友人はこう証言する。

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逮捕された宮本容疑者(本人フェイスブックより)

「最初の結婚がうまくいかずに離婚して、一希は京都に戻ってきて再婚しました。2018年ごろにその結婚式があったのですが、お父さんの姿が見えなかったので『なんでいないの』と聞くと『なんか今は別のところに住んでいるから』と素っ気なくて。それからコロナが流行り出した2020年だったと思いますけど、今度は『オヤジ死んだわ』とだけポロッと……。死因も含めて詳しいことは全然話してくれなかったので気がかりではありましたが、そもそも昔から一希のうちは、遊びに行ってもお父さんの気配がしない家だったんですよね」