上田氏は「彼を信じている」 女性記者は事件後、PTSDに

一方、女性記者は事件後、PTSD(心的外傷後ストレス障害 )と診断され、会社には所属したままだが、記者の仕事を続けられなくなったという。

今回、女性は、記者の取材に応じるという職権を乱用したA氏だけでなく、A氏を公設秘書として任用していた上田氏にも、記者への性暴力を防止する注意義務を怠った責任を追及するという。公設秘書と国会議員個人は被告になりえないという国家賠償法の解釈に基づき、公務員が職務の執行に際して他人に損害を加えたときに賠償する責任があるとされる国に対し、1100万円の支払いを求め、東京地裁に提訴した。

上田氏は「集英社オンライン」の取材に、次のように答えた。

「私からお話しすることは何もありません。捜査を受けていたことは聞きましたが、中身は一切聞いていませんから。彼から『迷惑がかかるから、一身上の都合でやめたい』と言われました。それに対し、私は『よく考えなさい』と言い、結局辞めずに引き続き働いていました。追い詰められた様子なんて、まったくなかったですよ」

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上田清司参院議員(本人フェイスブックより)
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そのうえで、「裁判になって、判決が出るまでは推定無罪なんですよ。彼は生真面目な人でしたから、私は信じています」とA氏をかばった。

女性は、提訴にあたり発表したコメントで、胸の内をこうつづっている。

「心の傷は、この3年間で回復しつつあると感じていながら、ふとした瞬間に涙が流れます」
「私に不幸にして起こってしまった事件を自ら公にすることで、同じ思いをする人が少しでも少なくなればという思いで提訴に踏み切りました。それが、記者としての使命であると考えました」

「集英社オンライン」は、A氏が暮らしていた埼玉県内の自宅を訪ねたが、自宅前の自転車はすべて倒れた状態で、駐車場の白いワンボックスカーもほこりをかぶっていた。インターホンを鳴らしたが、応答はなかった。

取材・文 集英社オンライン編集部ニュース班