事件から1ヶ月後にバーで働きだした
同じマンションに住む女性は「複雑な」田代容疑者の家族環境をこう証言する。
「田代さんは同年代の女性と同居していて、亡くなった子を含めた2人の子どもさんと一緒に住んでいました。同居女性も黒髪の襟足だけ茶髪といったツートンカラーヘアで派手な女性でした。2人とも旦那さんと呼べるほど親しく頻繁に会っている男性はいなかったけど、何人かの男性がたまに出入りしているのは見たことがあります。
去年の春頃、赤ちゃんを抱いている田代さんを2、3度見かけましたが、抱っこしながらあやして可愛がっていましたし、まさか亡くなっているとは思いませんでした。言われてみれば見かけなくなった気はしますが、特に落ち込んだり気が滅入ってるようなところは見たことがなかったです。いつもバラバラの時間に見かけていたので仕事はしてないようでした」
別の女性住人は虐待とみられる怒声を聞いたことがあった。
「去年の4月頃、母親の叱るような怒鳴り声と子どもの泣き叫ぶ声は聞いたことがあります。子供は時間に関係なくしょっちゅう泣いてました。怒鳴る声が聞こえたのは昼間ですかね。30分ぐらい泣き止まない子どもに対して『うるさい!』とか『泣くな!』という怒声が聞こえました。後日警察の方に子どもへの虐待の話を聞かれて、ネグレクトでちゃんと育児をせず、怒鳴っていたんだと腑に落ちた記憶があります」
実は田代容疑者は事件をおこした1か月後、藤沢市内のショットバーにつとめていた。店の関係者が打ち明ける。
「芽衣さんは去年の5月末か6月頭から働き始めましたが、12月末に辞めてしまいました。働き方としては人が足りていない時や、忙しい日に来てもらう、スーパーヘルプのような存在。出勤は月に3、4回ほどです。
お店での芽衣さんは、本当に頼れるお姉さんのような方でした。客がいないと友達を呼んでくれたり、店に足りない物を買ってから出勤してくれたり、気が利くし、明るくてどんなお客さんにも打ち解けていた。LINEやInstagramのアイコンにお子さんが写っていたのと、過去に芽衣さんの自宅を訪れた際ベビーカーが玄関に置いてあったこともあり、普通にお子さんと暮らしてるものだと思ってました。ただ、差し入れでお子さん用のゼリーをあげたこともありますが、特に反応がなく、子どもの話を自分からしない一面はありました」
また、田代容疑者は事件から3ヶ月後に男児をベビーカーに乗せた写真をSNSに掲載するなど”普通”を装っていた。
ただし、「弟」を確認していた平塚児相は空来ちゃんの「姉」の存在は不知で、「ご主人もおらず、おひとりで空来さんを出産されたということでした」としており、もはや何人子供がいるのかすら判然としない。
何のために産み、何のために児相から引き取ったのか。
親を選べない子が、哀しい。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班