ロキソニンは妊婦、12歳以下の子どもは使用できない
最後に飲んではいけない人で比較しましょう。
ロキソニンは妊婦、12歳以下の子どもは一般的に使用しません。
特に妊婦の場合、妊娠後期にロキソニンを飲むとお腹の赤ちゃんの心臓周りの血管に異常を出現させてしまうため禁忌とされています。
また、12歳以下の子どもにもロキソニンは一般的に処方しません。
さらに子どもがインフルエンザに罹った時、ロキソニンを飲むとインフルエンザ脳症のリスクが上がるので絶対に使用はしないように。
また、ロキソニンは喘息を引き起こしてしまうことがあります。これをアスピリン喘息と言います。実は大人の喘息の5~10%を占めると言われています。
風邪薬を飲むと咳が出る人はこのアスピリン喘息が起きているかもしれません。
一方、カロナールは、アスピリン喘息を引き起こすリスクが少なく、妊婦や子どもも使用できます。もちろん、用量を守って使わないといけないのですが、万人に使えるお薬としてカロナールのほうが処方されやすいと言えます。
また、よく疑問に思われるのが医者が処方する薬と市販の薬の効き目に違いがあるかということです。
カロナールとロキソニンに限るなら、市販のものだから効かないといったことはありません。
例えば、市販のロキソニンSは処方されるロキソニンと用法・用量は同じです。
カロナールも市販薬はタイレノール、ラックルとして販売されています。
市販薬を使う場合は、飲む前に必ず説明書を読むようにしましょう。
例えば、ロキソニンの市販薬には「似たような薬を飲んで喘息を起こした人は使用不可」や「連続して使用してはいけない」などの注意書きが記載されています。
これをしっかり読んで、用法・用量を守って使うようにしてください。
また、新型コロナワクチン接種後、副反応が怖いから先にロキソニンやカロナールを飲むのはNGです。予防接種の効果に悪い影響を与える可能性があります。
ワクチン接種後、副反応で発熱した場合に飲む際は、先日の「飲んではいけない人」に当たらないのなら、ロキソニン、カロナールどちらでもOKです。
いざというときのために市販のカロナールやロキソニンを常備しておくようにしましょう。
取材・文/百田なつき